- このような排尿トラブルでお困りではありませんか?
- WAVE(経尿道的水蒸気治療)とは?
- WAVE治療の概要
- TURP・HOLEPとの違い
- WAVE治療をおすすめしたい方
- WAVE治療の治療成績
- WAVE治療の流れ
- WAVE治療で起こりうる合併症
- よくある質問(FAQ)
- WAVE治療をお考えの方へ
このような排尿トラブルで
お困りではありませんか?
前立腺肥大症は年齢とともに増える疾患で、「排尿のしづらさ」を中心に生活の質を大きく下げてしまいます。
当院では、以下の症状が続く方にWAVE治療(経尿道的水蒸気治療)をおすすめしています。
- トイレの回数が明らかに増えた
- お腹に力を入れないと尿が出ない
- 排尿後もスッキリせず、残っている感じがある
- 尿の勢いが弱くなった
- 途中で尿が途切れてしまう
- 前立腺肥大症の薬を飲んでいるのに改善しない
これらは生活に密接につながる症状で、放置するとQOL(生活の質)の低下につながります。
前立腺肥大症の薬物療法は根本治療は出来ません。
前立腺肥大症は、薬物治療によって症状を和らげることはできますが、 前立腺そのものの肥大を元に戻す治療ではありません。そのため、効果を維持するには長期間にわたって服薬を続ける必要があります。
一方で、前立腺の肥大そのものを改善するためには、手術による治療が選択肢となります。 そのような背景から、近年では身体への負担を抑えた治療法として WAVE(経尿道的水蒸気治療)が注目されています。
WAVE(経尿道的水蒸気治療)
とは?
WAVE治療は、水蒸気の熱エネルギーで肥大した前立腺組織だけを自然に小さくしていく、低侵襲の新しい治療法です。
Rezum(レジューム)システムを用い、前立腺内に103℃の水蒸気を数秒注入。前立腺組織が約70℃まで加熱され、1〜3か月かけて徐々に壊死・縮小していきます。
従来治療との大きな違い
- 前立腺を削らないため身体的負担が少ない
- 体内に異物を残さない(Uroliftのようなインプラントが不要)
- 尿道粘膜や性機能を温存しやすい
- 組織内に水蒸気が均一に広がり、ムラのない治療効果
前立腺肥大症に対する治療の中でも、近年注目されている治療法です。
WAVE治療の概要
WAVE治療は局所麻酔下で5~10分程度で完了します。
尿道から内視鏡を挿入し、肥大した前立腺に針を刺して水蒸気を9秒注入します。注入回数は前立腺の大きさによって変わります。
手術後、麻酔が切れていることが確認し、飲水や体位を変えたりすることができるようになります。
術後のむくみにより排尿しづらい期間があるため、カテーテルを3、4日挿入します。元々カテーテル挿入中の方は1か月挿入し、外来で抜去します。
TURP・HOLEPとの違い
TURP
(経尿道的前立腺切除術)
- 古くから行われる標準術式
- 電気メスで前立腺を削る
- 効果は高いが、出血がやや多め
- 入院が必要で、射精障害が起きやすい
HoLEP
(経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術)
- レーザーで前立腺をくり抜く手術
- 再発が少なく、大きい前立腺に向く
- 出血が少なく、確実な効果
- 入院が必要で、射精障害が起きやすい
WAVE
(経尿道的水蒸気治療)
- 切除なしのため出血が非常に少ない
- 入院の必要がなく、手術時間が短い
- 効果が出るまでに数週間〜数か月必要(組織が自然に縮小するまで)
- 海外の報告では術後5年後も排尿改善効果が持続と報告
WAVE治療を検討している方には、丁寧に手術適応を判断いたします。
WAVE治療をおすすめしたい方
- 内服薬で十分な改善が得られない方
- 大きな手術(TURPやHoLEP)は避けたい方
- 長期間カテーテルを留置しているが、自分で排尿できる状態を目指したい方
- Urolift術後のインプラント残存に抵抗がある方・結石リスクがある方
WAVE治療の治療成績
海外では10年以上の実績があり、以下の臨床結果が報告されています。
- IPSS(症状スコア)・Qmax(尿流率)は5年間改善が持続
- 再手術率は4.4%と低い数値
薬で改善しない方でも、長期的な効果が期待できる点が特徴です。
WAVE治療の流れ
1初診・診察・ご相談
まずは排尿の状態や症状(頻尿・残尿感・尿の勢いの低下など)を詳しく伺い、前立腺肥大症の可能性を検討します。必要に応じて超音波検査などの検査を行い、WAVE治療が適切かを判断します。
2適応判断と治療方法のご説明
検査結果と患者様の全身状態・ご希望を踏まえ、WAVE治療のメリットと注意点をご説明します。他の治療法(薬物療法、従来の手術など)との違いや、日帰り手術の特徴についても丁寧にお伝えし、患者様自身に納得いただいた上で治療方法を選択いただきます。
3手術前の準備
手術の数日前に安全に手術できるかどうかの確認のために採血検査を行います。また可能であれば膀胱鏡検査で前立腺肥大の状態を確認し、手術のシュミレーションをします。
手術当日または事前に、体調管理や必要な服薬の調整についてご案内します。風邪や発熱、下痢などがある場合は安全を考慮し、手術の延期をお願いする場合があります。麻酔の関係で、手術当日は朝7時以降の絶食をお願いします。
4WAVE治療(当日)
尿道から内視鏡を挿入し、前立腺に針で水蒸気を注入。103℃の水蒸気を9秒間噴霧し、肥大した前立腺組織を加熱 ― 約70℃まで上げて熱による凝固・壊死を起こします。処置自体は短時間(およそ10分程度)で終了し、身体への負担は比較的少ないのが特徴です。
当院では、身体への負担を抑えるため、原則として局所麻酔で行います。
処置中に痛みや強い不快感がある場合には、安全に配慮したうえで静脈麻酔を併用し、眠った状態で処置を行うことも可能です。
5カテーテル留置とご帰宅
処置後、尿道から膀胱までカテーテル(尿の管)を留置します。麻酔が覚めた後、ご帰宅いただけます。ただし、帰宅時は車・自転車の運転は控えていただき、付き添いまたはお迎えありでのご帰宅をお願いしています。
6術後の安静と過ごし方
当日はできるだけ安静に過ごしていただきます。発熱や痛み、異常がある場合はすぐご連絡ください。
7カテーテル抜去とフォローアップ
通常、尿道カテーテルは3~4日程度留置します。術後の経過を確認しながら、外来でカテーテルを抜去します。その後、排尿の改善具合をチェックし、必要に応じて内服薬の調整なども行います。
8治療効果の実感とその後の経過
壊死した前立腺組織は時間をかけて自然に吸収され、前立腺の縮小が進みます。個人差はありますが、術後2〜4週間で排尿の変化を感じる方が多く、1〜3か月後には症状の改善を実感される場合もあります。
なお、WAVE治療は多くの方で排尿症状の改善が期待できますが、前立腺の大きさや形状、膀胱機能の状態などには個人差があります。
そのため、まれに症状の改善が十分でない場合や、術後も内服治療の継続が必要となる場合があります。そのような場合には、経過を見ながら追加の治療や再手術を含めた対応を検討することがあります。
5年間で薬を再開する可能性が約1割程度、再手術の可能性が5%以下と言われています。
WAVE治療で起こりうる合併症
比較的リスクの低い手術ですが、以下の症状がみられることがあります。
- 尿道の痛み・違和感
- 尿路感染症
- 血尿
- 排尿困難
- 精液量の減少、血精液症
- 遅れて尿道狭窄が起こることが稀にある
よくある質問(FAQ)
新しい治療と聞きましたが、安全性は大丈夫ですか?
日本では2021年に承認され、欧米ではすでに10年以上の実績があります。
どのような方が適応になりますか?
負担が少ないため、高齢の方や合併症の多い方にも検討しやすい治療です。
抗血栓薬を飲んでいますが治療できますか?
休薬が難しい場合も、慎重に行うことで対応可能とされています。
性機能に影響はありますか?
勃起機能への新たな障害は報告されていません。逆行性射精は約3%です。
効果はいつから実感できますか?
壊死組織の吸収が始まる術後数週間〜1か月頃から改善がみられます。
効果はどれくらい続きますか?
海外のデータでは5年後も改善効果が持続しています。
保険適用ですか?
日本では2022年より保険適用となり、高額療養費制度の対象です。
WAVE治療をお考えの方へ
おかだ泌尿器科クリニックでは、前立腺肥大症の治療選択肢を広げるため、WAVE治療に対応しています。
治療方法の向き・不向きは患者様の症状や前立腺の状態によって異なります。
「薬で良くならない」「排尿トラブルがつらい」
そんな方は一度当院へご相談ください。




