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精巣がん、前立腺がん、
膀胱がん、腎がん、
腎盂尿管がん

精巣がん

精巣がん精巣がんは精巣内の生殖細胞から発生し、20代~30代の男性によく見られるがんです。細胞の種類に応じて「セミノーマ」「非セミノーマ」と分類されます。

症状

初期症状はほとんどなく、下腹部の鈍痛や陰嚢部の痛みが現れることもあります。悪化すると、腹痛や呼吸困難、頸部リンパ節の腫れ、乳首の腫大や疼痛などの転移による症状が起こります。

原因

精巣がんの発症原因は未だに不明です。家族歴や停留精巣、反対側の精巣に腫瘍があった既往歴などがリスク因子とされています。

治療方法

以下の治療が実施されます。

手術療法

がんができている側の精巣と精索を摘除します。手術後は、腫瘍マーカーの採血とCT検査で転移しているかどうかチェックします。

抗がん剤治療
(化学療法)

転移がある精巣がんでは、抗がん剤治療が必要です。若い患者様が多いため、生殖機能の維持も重要視します。

放射線療法

腫瘍細胞を傷害し腫瘍を小さくする治療です。セミノーマのⅠ期では、放射線治療が再発予防に有効とされていますが、非セミノーマではあまり初期治療として選択されません。

前立腺がん

前立腺がん前立腺の細胞が正常に増殖しなくなり、異常な細胞が増えてしまう病気です。前立腺がんの転移はリンパ節や骨に起こりやすくなります。

症状

尿道の圧迫による排尿困難や血尿、便秘、腰痛などの症状が現れます。ただし、早期前立腺がんは、自覚症状があまり起こりません。

原因

遺伝、食生活、ホルモン、高齢などとされていますが、根本的な原因は明らかにされていません。

治療方法

以下の治療法から選択されます。

手術療法

前立腺と精のうを摘出し、膀胱と尿道を繋ぎ合わせます。近年では開腹手術よりも、傷口が小さく出血が少ないロボット手術が主流となっています。

放射線療法

放射線療法には外部照射療法(IMRTや粒子線治療)と組織内照射療法があります。

監視療法

PSA値が低い、進行度が早い、悪性度が低い前立腺がんの場合は、積極的な治療は行わず、定期的なPSA検査やMRI検査・前立腺針生検を通じた監視療法を行います。

※CT・MRI検査が必要な場合には、提携している病院をご紹介します。

ホルモン療法

転移性前立腺がんは、リンパ節や骨などでの転移が見つかった場合に診断されます。この場合はホルモン治療を通じて、進行を遅らせることが治療の主な目標となります。

膀胱がん

膀胱がん膀胱がんは、膀胱の内側の粘膜から発生するがん疾患です。60歳以上の方、特に男性により多く見られます。

症状

肉眼的血尿が挙げられます。膀胱炎や尿路結石でも肉眼的血尿は見られますが、痛みを伴うという点は膀胱がんと異なります。

ただし、膀胱炎の再発や結石の存在、腫瘍の進行により症状は変化するため、定期的な検査が重要です。

原因

膀胱がんの原因は不明ですが、喫煙や化学物質の曝露(特に染料)などがリスク要因とされています。

治療方法

以下の治療法が行われます。

手術療法

膀胱がんの大部分は表在性であり、内視鏡的に切除可能ですが、約60%の場合は再発し再手術が必要になります。手術は1〜2時間で行われ、3日で退院できます。浸潤性の膀胱がんでは全摘術が必要で、尿路変向術と同時に行われます。

抗がん剤治療
(化学療法)

転移がある、もしくはその可能性が高い場合は、抗がん剤を投与します。また、膀胱腫瘍の動脈内に抗がん剤を注入する動脈注入療法も転移の予防として使用されます。

放射線療法

体力的に負担が大きく手術が受けられない場合や、膀胱を保持したい場合に選択されます。

膀胱内注入療法(BCG)

「結核菌の毒性を低減した薬」を膀胱内に注入することで、免疫反応を引き起こし、腫瘍細胞に対する免疫を作り出す方法です。

腎がん

腎がん腎臓に発生する悪性腫瘍で、50歳~70歳の中高年に多く見られます。

症状

初期段階では症状が現れることは少ないため、画像検査で見つける必要があります。実際に、治療を受ける患者様の80%が無症状で発見されています。

原因

原因は不明ですが、喫煙、高血圧、慢性腎臓病、遺伝的要因などがリスク要因とされています。

検査

尿検査、超音波検査、CT検査、MRI、腎生検などの検査が行われます。尿検査は血液中の化学物質や尿中の異常細胞を調べ、超音波検査は腎臓の形状を確認し、CTとMRIは詳細な画像を提供し、腎生検は病理学的な診断を行います。

※CT・MRI検査が必要な場合には、提携している病院をご紹介します。

腎盂・尿管がん

腎盂尿管がん腎盂尿管がんは膀胱がんの約20分の1と極めて稀で、全尿路上皮がんの割合は腎盂がんで5%、尿管がんが1~2%とされています。
尿管がんの発症頻度は下部尿管(73%)、中部尿管(24%)、上部尿管(3%)と報告されています。

症状

早期段階では無症状であり、尿検査をきっかけに発見されます。腫瘍のサイズが大きくなると、無痛性の肉眼的血尿や水腎症などの症状が現れます。

原因

タバコや石油、木炭、アスファルトなどの発がん性物質が危険因子とされています。

検査

尿検査や腹部超音波検査、CT、MRI検査、逆行性腎盂造影、腎盂尿管鏡を行います。

※CT・MRI検査が必要な場合には、提携している病院をご紹介します。