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尿管結石・腎結石

尿管結石・腎結石とは?
違いとは?

尿管結石・腎結石とは?違いとは?腎臓でできた結石を腎結石、腎結石が尿管に落ちた状態を尿管結石と呼びます。
結石ができただけでは自覚症状はありません。しかし結石が粘膜を傷つけた時、詰まって尿の通りを止めてしまった時には、背中や脇腹、腰などに激しい痛みが現れます。また、血尿や発熱、冷や汗などの症状も見られます。
主な原因としては、遺伝的要因、高血圧症・糖尿病・脂質異常症、水分摂取量の不足などが挙げられます。結石が10mm以下であれば、水分を多く摂り自然な排石を促す保存療法が行われます。結石が大きい場合には、体外衝撃波やレーザーによる粉砕・排石が行われます。

石が出る前兆とは?
尿管結石の症状

石が出る前兆とは?尿管結石の症状尿管結石は「痛みの王様」と呼ばれるほどの激痛や血尿が出ます。実際に、痛みにより救急車で運ばれる方もいます。

激しい痛みが特徴

背中から脇腹にかけて、急に激痛を引き起こすのが特徴です。痛みは何をしても変わらず、一定の強さで続きますが、24時間以上継続しません。その強さは人によって異なり、救急車で運ばれることもあります。

血尿

結石が尿路粘膜と接触することで起こります。

腹痛・腰痛

結石が腎臓から尿管へ移動する際に感じられます。

嘔吐

強い痛みによる反射的な反応で起こります。

残尿感

結石が膀胱に下がる際、残尿感を感じることがあります。

尿管結石の痛みは
いつまで続く?

サイズや詰まった場所によって変わりますが、痛みは数日から数十日間続くことがあります。

尿管結石・腎結石の原因

結石は、尿中のカルシウムやマグネシウムなどが過飽和して結晶化したものです。
結石の原因は完全には解明されていませんが、遺伝や生活習慣が影響すると考えられています。

生活習慣から考えられる要因

  • 水分を摂る量が少ない
  • 汗をよくかく
  • 尿の停滞・濃縮がある
  • ストレスが多い
  • 大食い、肉類を沢山食べる
  • 糖分や塩分を多く摂る
  • 運動する習慣がない

病気などから考えられる要因

  • 長期の臥床や尿流の停滞
  • ステロイドなどの使用
  • 尿管狭窄や前立腺肥大などの尿路障害

また、結石を発症する可能性が高い病気としては、骨粗鬆症、脂質異常症、クッシング症候群、高カルシウム血症、シスチン代謝異常、原発性副甲状腺機能亢進、クローン病などの炎症性腸疾患があります。

尿管結石・腎結石の治療方法

腎結石から膀胱尿道結石まで、すべての尿路結石に関して、結石の位置や大きさに合った治療法を選択します。

薬物治療(自然治療)

薬物治療(自然治療)結石の大きさが10mm以下の場合は、自然排石が可能です。ただし、7~8mmの長径、5~6mmの短径以上の結石は排石しにくい傾向にあります。また、尿管攣縮抑制や利尿作用を持つ薬を服用することで、排石を促すことも可能です。

手術

体外衝撃波結石破砕治療(ESWL)

電磁誘導方式を用いて、特殊なレンズを通じて衝撃波を結石に集中させ、破砕する方法です。外科手術をせずとも、結石のみを細かく砕き、尿と共に自然に排出されます。

経尿道的腎尿管砕石術(TUL)

外尿道口から内視鏡を結石まで挿入し、専用のレーザーを用いて破砕し、除去する内視鏡レーザー治療です。

経皮的腎砕石術(PNL)

ESWLやTULは、大きな(または硬い)結石に対して行われる治療法です。腎臓に大きな結石がある場合は、背部に針を刺して腎盂鏡を挿入し、専用のレーザーで破砕する手術が行われます。

尿管結石・腎結石の予防

尿路結石は、5年以内に50%の方が再発するリスクがあります。結石の形成は体質によるものですが、食生活や生活習慣が主な原因とされています。

水分をとる

水分をとる1日1.5リットル程度、水分摂取することをお勧めします。水分を多く摂ることで、尿が薄くなり、結石成分が結晶化しにくくなります。水分補給する際はアルコールや緑茶などの飲み物ではなく、水や麦茶を摂取しましょう。

バランスのとれた食生活

バランスのとれた食生活偏食や過食を避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。日本人の尿路結石で多いのはシュウ酸カルシウム結石で、カルシウム摂取不足が原因とされています。
シュウ酸を摂取する際には、カルシウムと一緒に摂取するよう意識しましょう。


シュウ酸を過剰摂取しない

バナナ・ほうれん草・コーヒーなど

シュウ酸は日本人の尿路結石の主な原因とされています。キャベツやサツマイモ、チョコレート、コーヒー、緑茶などにはシュウ酸が多く含まれているため、これらの食品は適量を心がけて摂取しましょう。

プリン体を過剰摂取しない

レバー・カツオ・ビールなど

プリン体は体内の代謝を助けるものですが、過剰に摂取すると尿酸が増え、結石を引き起こします。プリン体は肉類や魚介類、ビールなどに多く含まれています。

クエン酸を意識して摂取する

梅・みかん・グレープフルーツなど

クエン酸は尿中でカルシウムと結合し、カルシウム結石の形成を防ぐ効果があります。梅、みかん、レモン、グレープフルーツなどに含まれるクエン酸を毎日摂取することで、尿路結石の予防に役立ちます。当院ではクエン酸製剤の内服薬を処方することの可能です。

就寝前の3時間は絶食

尿路結石の痛みは、夜中~明け方に多く発生することがあります。これは、寝ている間に脱水が起こり、尿が濃縮され結石が形成しやすくなるためです。夕食後はすぐ眠らず、水分を摂取し、結石の形成を予防しましょう。